里親について


上県町仁田小学校・仁田中学校区

川口幹子さん(カワグチモトコさん)
~プロフィール~
年齢: 42歳
出身: 青森県
家族構成:旦那さん(漁師)、長男5歳、次男1歳
留学生: 小学5年生男子1名、小学6年生男子1名、中学1年生男子1名、中学3年生女子2名
職業:対馬里山繋営塾代表理事、対馬グリーン・ブルーツーリズム協会事務局長
ポリシー:対馬の自然環境や地域の人たちとの繋がりを活かして、暮らしながら自然や文化を学べる場づくりを提供する

どうして里親として留学生を受け入れようと思ったのですか?
対馬には豊かな自然が残っているし、ヤマネコや対州馬など、子どもたちに対して環境教育を行える素材がたくさんあると感じていました。そのような対馬の自然環境を活かして、子どもたちに学びの場を提供したいなと思ったからです。
どのような教育理念で子どもと接していますか?
「暮らしの中で身に着ける」をコンセプトに、子どもたちと生活を共にする中で、自分たちの命を支えている食料の生産過程を学んだり、コミュニティの中での人々の繋がりや支えあいの大切さを感じたりできる場を作りたいと考えています。対馬の豊かな自然環境を活かして農業や漁業を営んできた対馬の伝統的な暮らしを、留学生との暮らしの中で少しでも再現し、地域の人々が脈々と受け継いできた知恵を後世へと受け継いでいければよいなと思っています。
留学生との関係は?
基本的には子どもと対等な立場で接するようにしています。子どもたちの話には耳を傾け、同じ目線で会話に参加します。しかし集団生活をするうえで、保たなくてはいけない規律もあり、その規律が乱れそうなときは、親の代理である里親としての立場で、毅然とした態度をとることもあります。
里親は「やってあげること」が役目ではありません。子どもたち自らの主体性を大事にすることで、集団生活の中での役割を身に着けさせ、自立・自律を促したいと思っています。例えば、宿舎内でのルールを子どもたち自身で決めさせたり、ルールの意味を話し合ったりしています。
留学生の親御さんとはどのように連絡をとりあっているのですか?
スタッフは基本的にLINEを使用して、親御さんと連絡を取っています。学校からの配布プリントや、夕食時の様子を写真にとって、LINEでお送りしています。また毎週日曜日には、何かしら子どもたちと企画した活動をしていますが、その際の写真を送ると喜んでいただけます。
子どもたちは、必要に応じて携帯電話を貸し出して、親御さんと連絡を取ってもらっています。
留学生は家ではどのように過ごしていますか?
基本的に平日は宿題や部活で忙しくしていますが、休日は子どもたちと一緒に活動をすることが多いです。
私が代表を務めている(一社)対馬里山繋営塾では、島っこ留学の子どもたちに向けて、毎週日曜日に暮らしの体験や自然体験などのプログラムを実施しています。これらの内容は、子どもたちの意見をもとに考えています。農業や釣り、乗馬など。子どもたちの年齢や性別は異なりますが、プログラムを通してそれぞれが自分の役割を発見してくれればいいなと思います。
今後のビジョンはありますか?
5年後を目標に、周辺の耕作放棄地を開拓して、畑、水田、果樹園、養鶏場などをみんなでつくっていきたいです。
まずは鶏小屋づくりからスタートして、いずれは自分たちの暮らしを支える食料の生産過程を学べるような場づくりを実現したいなと思っています。

対馬ならではの豊かな自然と人々の暮らしの知恵。それらを最大限に活用して子どもたちの生きる力を養っていく。教育と自然に携わる川口さんのもとで、子どもたちの生き生きと過ごす姿が脳裏に浮かびます。
対馬で夢をもって持続可能な社会の実現を目指している川口さんの、エネルギー溢れる姿が印象的でした。